- 「Binanceは日本人が使っても安全…?」
- 「Binanceで取引したら罰則を受けないか心配…」
このようにBinanceの利用を不安に思っている方は多いかもしれません。
確かに、Binanceは金融庁から警告を受けた過去がありますが、その後柔軟にセキュリティ対策を行って安全な仮想通貨取引所として確立しています。第三者機関からの厳しい監査もクリアして、ISO認証も取得しました。
この記事では、Binanceの日本人利用について、危ぶまれた原因と継続利用できると思われる理由を徹底解説します。最後まで読めば、Binanceの安全性が理解できるので安心して利用することができるでしょう。
Binance (バイナンス) の日本人利用について
Binanceを初めて利用するとき、日本人の利用は法に触れてしまわないか、罰則を受けないか、と心配するかもしれません。
結論から言うとBinanceの登録や利用は違法ではないので、個人が罰則を受ける可能性はかなり低いです。その根拠を解説します。
- Binance(バイナンス)を日本人が利用して仮想通貨を取引するのは禁止されている?
- 日本人がBinance (バイナンス)に登録したら違法行為として罰則を受けることはある?
Binance (バイナンス)を日本人が利用して仮想通貨を取引するのは禁止されている?
Binanceを日本人が利用することに関して、Binance側からも日本の法律的にも禁止されていません。過去にBinanceは金融庁から警告を受けていますが、日本にいる個人ユーザーが警告や禁止の措置を受けたわけではありません。「警告を受けたBINANCEの利用は禁止」という意味でもないので安心してください。
さらに、国内の仮想通貨取引所からBinanceへの送金、またはBinanceからの受取も問題なく利用できます。現状でBinance側は、利用禁止どころか日本語対応も完了しているので、日本人でも使いやすい海外取引所と言えます。
日本人がBinance (バイナンス)に登録したら違法行為として罰則を受けることはある?
日本人がBinanceに登録しても、違法行為に当たらず、罰則を受けることもありません。日本の法律に、Binanceの利用で罰則が課せられるような記述はないので安心してください。
万が一、罰則を受けるとしてもBinance側です。しかし、Binanceは上図にあるマルタ共和国に拠点を置いているで、日本の法律で裁くのは難しいですね。
現状では、日本での利用は公認こそされていないものの、違法でもないので、個人ユーザーが罰則を受ける可能性は限りなくゼロだと言えるでしょう。
Binance (バイナンス) が日本でいつまで利用できるかと不安に思われている理由
Binanceがいつまで日本で利用できるのか、といった不安な声はたびたび上がります。結論を言うと、いつまで利用できるかはわかりません。
Binanceを使うユーザーなら、過去にあった警告や、他社の急な利用停止について知っているため不安になるのでしょう。ここでは、Binanceの利用継続が疑問視される理由について解説します。
- 日本の金融庁から2回も警告を受けている
- 日本以外の国からも警告を受けている
- 過去に日本でのサービスを終了すると宣言されたことがある
日本の金融庁から2回も警告を受けている
Binanceは、日本の金融庁から過去に2度警告を受けています。一度目は2018年3月23日、二度目は 2021年6月25日です。
2回ともほとんど似たようなもので、「ネットを通して日本居住者を相手に仮想通貨取引業を行っていた」という内容です。
表題も同じく「無登録で仮想通貨交換業を行う者(Binance)について」という名目で警告書が発出されていますね。
金融庁のフィンテックモニタリング室が窓口となっており、ネット上の金融商品取引法違反について厳しく監視されていることがわかります。
警告を受けた詳細は後述しましょう。
日本以外の国からも警告を受けている
日付 | 警告内容 | |
---|---|---|
イギリス | 2021年6月 | 金融行動監視機構(FCA)より無登録で暗号資産交換業を行ったことに対する警告 |
ケイマン諸島 | 2021年7月 | 金融規制当局(CIMA)より無許可の暗号資産取引業に対して警告 |
タイ | 2021年7月 | 証券取引委員会(SEC)よりライセンス無しの暗号資産取引業が違法として刑事告訴 |
シンガポール | 2021年9月 | 金融監督局(MAS)より未登録業者へ追加され、サービス停止の措置を取られた |
カナダ | 2022年3月 | オンタリオ証券委員会(OSC)よりOSCに登録プロセスの連絡をしなければ強制措置にすると要請 |
Binanceは、上記のように世界各国で警告を受けています。やはり各国の金融当局から、無登録での暗号資産交換業について厳しく問われていることがわかりますね。
過去に日本でのサービスを終了すると宣言されたことがある
Binanceは2020年1月、日本居住者への段階的なサービスの終了を告知しました。2018年の金融庁からの警告後、日本語サービスを停止していた経緯がありますが、さらに当時控えていた2020年春の日本の改正金商法による規制強化も原因の一つでしょう。
改正金商法では、証拠金のレバレッジ倍率が最大2倍までとなり、最大125倍ものレバレッジ取引が可能であるBinanceにとっては厳しい規制となります。しかし、海外に拠点があるBinanceが日本の改正金商法に影響されることは実際にはありません。
そのためか、結局サービスは停止されず、レバレッジ取引も引き続き使用できる状態が続いています。
過去に日本からの新規登録を停止した海外取引所がある
Binanceではありませんが、過去に日本居住者の新規登録を停止した海外取引所「FTX」についても知っておきましょう。
FTXは、金融庁からの警告を受けたことは一度もありませんが、2021年9月にいきなり日本居住者の利用停止が発表されました。新規登録はすぐにストップし、既存ユーザーには一定の出金期間が設けられ、FTXにある資金は移動するように強制されたのです。
その後、2022年2月、FTXが日本の取引所「Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)」の買収を発表しています。
現在、買収したLiquidを通して、FTXは日本ユーザーへのサービス提供を行っています。FTXの既存日本ユーザーをLiquidに移管して、日本の規制に従う形で仮想通貨取引サービスを提供するためです(出典:FTXによるLiquidの買収について)。
新たにFTX Japanとして日本でローンチしています。FTX Japanについては、下記記事をチェックしてみてください。
Binance(バイナンス) が警告を受けている理由
Binanceが警告を受けている理由を具体的に解説します。金融庁へ登録をしていないのは一番の原因ですが、本人確認の有無や、ホワイトリストに追加されないトークンの影響も大きいです。
あらゆるリスクや危険性から日本居住者を守るための警告であると覚えておきましょう。
- 金融庁への登録をせずに仮想通貨に関わるサービスを行っていた
- 本人確認がなくて危険と判断されていた
- ホワイトリスト以外の仮想通貨も取り扱っている
金融庁への登録をせずに仮想通貨に関わるサービスを行っていた
Binanceが警告を受けた一番の理由は、金融庁への登録をせずに仮想通貨の取引業を行っているためです。通常、「暗号資産交換業者」として管轄の財務局と金融庁へ説明し、登録しないといけません。
登録していない業者は、金融庁が資金決済法(資金移動についての法律)の定義に該当するか判断できない状態です。そのため、Binanceは2度も警告を受けています。未登録の海外業者はほかにも存在するので、金融庁が公開する「無登録業者のデータ」もチェックしてみてください。
ちなみに、コインチェックやビットフライヤーなどの日本の仮想通貨取引所はすべて登録されています。こちらも、金融庁が公開している「暗号資産交換業者登録一覧」に一度目を通してくださいね。
本人確認がなくて危険と判断されていた
Binanceはかつて、本人確認をしなくても会員登録だけですぐにトレードが可能でした。本人確認未実施でも、1日2BTCまで出金可能だったので、多くのユーザーは未実施のまま利用していたのです。
しかし、本人確認を実施しないと以下のような危険性があります。
- マネーロンダリングや犯罪組織に悪用される
- 資金の出どころ、引き出し先が分からない
- 犯罪収益の移転口座として転々とされると追跡が難しい
- 脱税に使われる
もし、Binanceが犯罪組織にハッキングされ顧客資産が盗まれても、追跡が難しく泣き寝入りしたり、アカウントを悪用されて犯罪に使用されたりと、本人確認がなければ危険性が高まります。
そのため、2021年10月からBinanceでは新規・既存ユーザー共に本人確認が必須となりました。
ホワイトリスト以外の仮想通貨も取り扱っている
仮想通貨のホワイトリストとは、その通貨に対して取引所が審査を行い、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が承認している信頼性の高い仮想通貨一覧のことです。常に入れ替わりがあるので、現在の一覧は「日本国内ホワイトリスト一覧」をチェックしてください。だいたい40種類前後です。
Binanceでは700以上もの仮想通貨を扱っており、上場を審査するようなまだ安定しないトークンも多いです。リスクがあるトークンの取引を楽しめるのが醍醐味でもありますが、危険性がある以上金融庁は警告せざるを得ません。
また、国内の仮想通貨取引所は、ホワイトリスト掲載の仮想通貨を基準としているので、取り扱い通貨数が多くても15~20種類程度となります。
今後もBinance (バイナンス)が日本で継続して利用できると言われている理由
Binanceは、今や日本ユーザーに広く知れ渡り、日本の利用者が多い海外取引所です。急に利用停止になる可能性は、現時点では低いと考えられています。
日本でも継続してBinanceを利用できると判断する理由について解説しましょう。
- 日本語対応が復活している
- 警告を受けてから柔軟にルールを変えている
- ログイン時の警告アナウンスが消えた
日本語対応が復活している
Binanceでは、公式サイトの右上で言語を変更できます。ここで「日本語」を選択すれば、サイト内のほとんどが日本語に置き換わります。日本語化された文章はほとんど違和感がなく、露骨な翻訳ツールを使っているわけでもないでしょう。
そのため、近いうちに日本でのサービスを終了するとは考えにくいです。引き続き日本居住者へサービスを提供すると判断されます。
2018年に金融庁の警告を受けてから、一度は日本語対応を削除していますが、その後2020年にはいつのまにか日本語対応が復活し、現在に至ります。
警告を受けてから柔軟にルールを変えている
Binanceは、日本だけでなく各国からの警告を受けて、柔軟にルールを変更しています。その一つが本人確認です。
2021年8月に「すべてのユーザーに本人確認を求める」と発表しました。もともと本人確認未実施だったユーザーは、新たな注文や購入ができなくなるため、本人確認せざるを得ません。
この措置は段階的に実行され、同年10月には完全に本人確認義務化が完了しています。
BinanceのCEOであるCZ氏は、この措置について「行動は言葉よりも多くのことを語る」と述べており、各国からの警告に対して行動で語ったことがわかります。ユーザー目線では多くの批判もありましたが、安全性と各国の金融部門との信頼性を高めるための強力な決意です。
ログイン時の警告アナウンスが消えた
2018年に最初の警告を受けた後、日本からBinanceへログインするとサービス終了の警告が表示されていました。警告内容は残っていませんが、FTXの例を思い出すと恐らく「日本居住者向けサービスが終了します」「利用停止に伴い資産を出金してください」のようなイメージでしょう。
それが、いつの間にか警告アナウンスが消えており、結局利用停止には至りませんでした。しかし、当時の利用者は万が一に備えて資金を移動させている人ばかりで、しばらくはBinanceの利用を控えていたようです。
現在は、世界最大手の仮想通貨取引所として日本でも広く知られています。金融庁の警告は消えていませんが、Binance側の対応を見ると日本でもしばらくは利用できると考えられますね。
実際にBinance (バイナンス)は危険なのか?
実際のところ、「Binanceは本当に危険なのか」「セキュリティはどのようになっているのか」といった疑問について解説します。
実は、2019年に大きなハッキング被害にあっており、約44億5,000万円分ものBTCが盗まれました。その教訓を生かし、現在行っている強力なセキュリティ体制についてもまとめます。
- すべてのユーザーに本人確認が必要
- 本人確認以外のセキュリティ体制もしっかりしている
すべてのユーザーに本人確認が必要
Binanceは本人確認を必須としたので安全性は高まります。本人確認せずに取引可能であれば、複数のアカウントを持つ犯人に利用されたり、アカウントが乗っ取られて資金を引き出されたりする可能性もあります。
本人確認済みであれば、アカウント乗っ取りなどでログインできない場合でも、各ユーザーは自分を証明できるので運営の調査はスムーズです。ユーザーの保護が強化されるのは間違いないでしょう。
Binance側も、「本人確認で犯罪行為に徹底的に対抗する」と主張しており、身元追跡がいかに犯罪を防止するかが理解できます。
本人確認以外のセキュリティ体制もしっかりしている
実施するセキュリティ対策 | 概要 |
---|---|
ISO認証取得 | 世界標準化機構(ISO)が定める基準を満たし情報セキュリティ認証を受けた |
複数の認証 | 指紋認証、パターン認証、二段階認証 |
コールドウォレットでの管理 | バイナンスの資産はほとんどがコールドストレージで保管 |
SSL通信 | 暗号化通信の導入 |
Binanceが実施するセキュリティ対策を表にまとめました。二段階認証やスマホの指紋・パターン認証、SSL通信も一般的な対策です。
さらにBinanceでは、ISOが定める基準を満たすため、セキュリティポリシー、資産管理、情報システムなど114の基準について国家機関より監査を受けました。その結果、基準を満たしていると認められたのです。
さらに、Binanceの莫大な資産は、インターネットから切り離されたコールドウォレットで管理されているので、ハッキングの可能性も低いです。Binanceのセキュリティ対策は徹底されているといえます。
日本人がBinance (バイナンス)から締め出されたときは入金している仮想通貨は戻ってくる?
日本人がBinanceから締め出された場合、ウォレットに入金した仮想通貨や、すでに出している注文についてどうなるのか気になると思います。
Binanceの前例がないので確証できませんが、FTXの例を見ると、一定の出金期間が設けられると考えられます。「○○日までに資産を移動してください」「現在の注文は○○日までに決済されます」というイメージです。
それ以降は完全にシャットアウトされて出金すらできなくなるでしょう。現状では可能性は低いですが、仮想通貨市場は何が起きるか分からないので、全資金をBinanceで保管することは避けてください。
日本人がBinance (バイナンス)を安全に利用するための使い方は?
日本人がBinanceを安全に利用するための使い方をピックアップしました。特に、パスワードは単純なもの・憶測できるものは絶対に控えてください。
方法 | 安全な使い方 |
---|---|
強力なパスワード設定 | パスワード生成ツールを使って、強力なパスワードを設定し、定期的に変更する |
二段階認証の有効化 | SMS認証またはGoogle認証を設定する |
デバイスリストの確認 | アクセス許可されている端末のリストをデバイスマネージャーで確認する |
出金アドレス管理 | アドレスマネージャーで出金できるウォレットアドレスを制限 |
フィッシング対策 | Binance公式サイトをブックマークしてそこからアクセスする |
二段階認証はGoogle認証がおすすめです。仮想通貨取引所で広く使われており、セキュリティ性が高く安全です。
まとめ-Binance (バイナンス)は日本でいつまで利用できるか
この記事では、Binanceが日本でいつまで利用できるのか知るため、過去の警告や現在の対策を徹底調査して解説しました。一度は日本撤退を宣言していましたが、実際に締め出されたことはなく、現在では多くの日本ユーザーがBinanceを使っているとわかりましたね。
結論をいうと、今のところBinanceが日本で使えなくなる可能性は低いです。日本居住者向けにサービスが展開されており、警告後のセキュリティ対策も整っているためです。
ただし、FTXのように急に利用停止を告知される可能性はゼロではないので、Binanceに全資産を入れておくのは避けてください。そして、個人でもパスワードや二段階認証などのセキュリティ対策を行ったうえでBinanceを利用しましょう。
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